子宮内膜症は、20代〜40代の女性に起こりやすい疾患です。 子宮内膜とは子宮の内側を覆っている膜で、通常の月経ではこの厚くなったこの内膜が剥がれ落ち、排出されます。 しかし内膜症は何らかの理由で子宮内膜の組織が子宮以外の箇所にできてしまいます。 たとえば卵管、卵巣、腸や膀胱周辺などの骨盤腹腔内です。 しかしこれらの箇所にできた内膜様組織は通常の月経と違って排出される場所がないため、血液が次第に蓄積され ていきます。 そして増殖していき、周りの組織と癒着し炎症を起こしてしまうこともあります。 中医学ではこの状態を瘀血(おけつ)と言い、骨盤内の血液の流れが滞っている状態と考えています。 ...
最近朝晩の寒さが強くなり、寒暖差がどんどん激しくなり、空気も乾燥してきており、体調を崩す方 が増えてきました。 今回は、なんだか風邪っぽいな…というとき、特に妊娠中の方や不妊治療中の方におススメなお灸 での対策をご紹介いたします。 風邪の引き始めによく効く穴として有名なのが、大椎だいついです。 大椎は、頭を前に傾けたとき、首の付け根辺りにつき出る第七頸椎と呼ばれる背骨のすぐ下にあります。 ここにお灸をすえると、じんわりと身体全体にお灸の熱が伝わり、身体がほぐれていくのがわかりますよ。 風邪に効果があると言われる穴はいくつもありますが、先ほど紹介しました大椎の周辺、首周りにある...
女性の卵巣には、一生分の卵子のもとになる細胞(原始卵胞)を持って生まれてきます。誕生時には、 200万個あった原始卵胞も月経が始まるころには20~30万個になります。その後、毎月数百個ずつ 減少し、45歳には数千個になります。女性が一生を通じて排卵する卵子は500個ほどで、ほとんどは 成熟せずに消滅します。 また、卵巣や卵子は加齢とともに老化が進みます。卵子の質も低下し、受精能力のある卵子を育て、 排卵させることが年齢を重ねるごとに難しくなります。 しかし、卵巣年齢は通常年齢ととも老化していきますが、実際の年齢よりも卵巣が若く、妊娠力が高い 人もいます。卵子の老化を防ぐ事は出来ませんが、生...
仕事でパソコンを使ったり細かい文字を見ている。スマートフォンを手放せなくて、一日中触っている。このような生活をされている方が多いのではないでしょうか。 目の使い過ぎは東洋医学では「肝」の働きを弱めてしまいます。 「肝」は血を貯蔵して、全身に血流を分配する働きをしていますが、 「肝」が弱まると血流が悪くなり、イライラしたり、月経不順が起こりやすくなります。 そして、目の使い過ぎは血をとても消耗してしまうので、子宮への血液の巡りも悪くなって冷えを 生じてしまいます。 また、寝る前のパソコンやスマートフォンの使用は、自律神経を興奮させ、交感神経優位の状態に なってしまい、血管が収縮してしまうの...
10月に入り、秋らしい陽気になってきましたね。 短い間に気候が代わり、体調を崩しやすくなる季節でもあります。 秋は、東洋医学的には『燥』の季節とされています。 空気が乾燥し、肺を傷めやすくなる時期です。 肺は水を司る臓で、乾燥に弱い性質をもっています。 風邪をひいたり喉痛があったり、肌がかさついたりする症状は 肺が燥邪に侵されると現れやすいものです。 まだ、秋は『悲・憂』といった心のうごきに象徴されます。 心が淋しくなりがちなので、早寝早起きを心がけ、身体を動かし、心を楽しく安定させることが大切です。 みずみずしくおいしいこの季節の旬のものを摂るようにし、心をリラックスさせて秋を楽しみま...
流産とは妊娠22週未満で妊娠が終了することであり、12週未満迄の初期流産が最も多いです。 ① 子宮の中で赤ちゃんが亡くなり自覚症状が無い稽留流産 ② 亡くなった赤ちゃんが外へ出てしまった進行流産 ③ 陽性反応確認後、胎のうが確認出来ない化学流産に分けられます。 高年齢化による腎の低下からおこる、子宮・卵巣の環境機能悪化及び機能低下 寝不足やストレスによる脳下垂体への影響でホルモン分泌の低下が原因と考えられます。 鍼灸中国伝統療法による流産予防対策は体質改善及び骨盤内環境の改善と機能向上、ストレスや疲労の軽減をもたらし、妊娠しやすいお体にしていきます。 また、タイミングによる自然妊娠の方も着床が...
中国の古典「素問」には春夏秋冬の過ごし方についても書かれていています。 秋は収穫の時期ですが、その過ごし方にも通じるところがあります。 春に芽吹き夏に成長したものを秋に収穫するように、春から夏にかけて外に向けて活動してきたものを内に収めていく季節です。 日も短くなってくるのでこれまでのように活動的に動き回るのではなく睡眠もしっかりとりましょう。 秋の澄んだ空気の中にいると身が引き締まりますが、この時期はあまりキッチリしすぎずに穏やかに過ごすよう心がけましょう。 また、空気も乾燥してくるので肺を傷めやすいのです。肺を清潔にたもち、深く呼吸するよう心がけましょう。 これらを無視すると、冬に下痢を...
不正出血は不妊治療現場でよく見られる症状の一つです。 治療しないと不妊の原因になる可能性もあります。 多くの女性に不正出血の経験はあると思いますが、「何かの病気かも!?」と思い病院に行っても、特に異常は見当たらず 「ストレスだろう」「環境の変化のせいだろう」と言われ終わってしまうことがほとんどではないでしょうか。 大きな病気でなくとも、原因不明の出血というのは不安になるものです。 以下、自分の経験や感想を交えて、みなさんと一緒に不正出血の原因について見ていきたいと思います。 不正出血には2種類あります。 ひとつは器質性出血、もうひとつは機能性出血です。 器質性出血とは、子宮筋腫や癌...
毎回生理周期が長かったり、短かったり安定しない。 経血の量も、生理の期間も・・・。でも、生理は来るし問題ない!『自分はこういう体質』と思われている方が 多数いらっしゃいます。 でも、なかなか妊娠しないと言う方、それは無排卵月経ではありませんか? 卵巣の機能や脳のホルモンと関係する箇所が原因できちんと排卵が出来ていない場合があります。 原因は様々ですが、ストレス・過度のダイエット・不規則な生活習慣・冷えなどが挙げられます。 どうしたら、自分が無排卵月経かわかるの?と思われるかと思います。 ぜひ、基礎体温を付けてみて下さい。 また、ホルモン検査でも見つけることが出来ます。 妊娠を希望されてい...
昼間の疲労は、夜の睡眠で払しょくしたいところですが、夏の夜は、蒸し暑く、熟睡できずに睡眠 不足を感じている方も多いかと思います。東洋医学の夏の養生法では、「夜は遅く寝ることがあっ ても、朝は日の出とともに早く起きる」とあります。 早く目覚めて活動することは、夏の健康法でもありまが、女性にとって睡眠不足は、妊娠や美容の 面でも気になるところです。 睡眠不足が気になる方時は、昼寝をしましょう。 昼寝は、15分~20分程度取ることで脳内にα波が発生し、脳内麻薬という人体に自然に備わって いる物質βエンドルフィンが分泌され、ストレス軽減、、幸福感、脳の活性化、集中力や記憶力が ...
8月に入りました。いよいよ夏本番ですね。 今年は猛暑日も多く、その反面、少し肌寒い日もあり… 体調管理が難しいなぁと感じます。 さて、今回はそんな夏にぴったりの『生姜』のお話です。 生姜というと体を温める効果が思い浮かびますが、 食べ方によって作用が全く違うのをご存じでしょうか? 生姜は、生で食べるのと温めて食べるのでは 全く違う効果を発揮します。 生の生姜には、『ジンゲロール』という成分が多く含まれています。 【ジンゲロールの効果】 ・殺菌効果 ・解熱効果 ・発汗作用 ・免疫力アップ ・血管を拡張し、血流をよくする ・体の深部の熱を抹消に運ぶ ジンゲロールを多く含む生の...
現代人は潜在的に栄養が不足している人が多くいます。 「飽食の時代に栄養不足なんて」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、糖質・炭水化物は摂取できていても、鉄やビタミン・ミネラル、タンパク質など、きちんと摂取できていない人が多くいます。この潜在的な不足は、様々な不定愁訴の原因になっていることがあります。 日々の体調管理をする上できちんとした栄養を取ることが大事ならば、妊娠・出産を望む女性にとってものすごく大事なことだというのは想像がつくと思います。 女性の不妊の原因に多い栄養障害は、鉄、タンパク質、脂質、またビタミンD・ビタミンEなどの不足です。 では、栄養を補おうと思った時、不足している...
連日真夏日、猛暑日ばかりの夏は酷暑という言葉がぴったりだと感じます。 クラクラしそうな暑さの屋外と、冷えた室内との温度差にダルさがでたり、この暑さで食欲が落ちたり… 夏特有の身体の不調が気になりますね。 昔から、夏には精のつく食べ物を食べようと言われています。 土用の丑でお馴染みの『うなぎ』などはその代表ですね。 栄養学の観点からみると、うなぎのビタミンAは有名ですが、実はビタミンEも豊富に含まれています。 これには体内の血行改善の働きや、抗酸化作用があり、頭痛や冷え性を改善する効果があります。 また、生殖ホルモンの代謝と関係があるため、不妊症に効果があるとされおり、生理痛や生...
東洋医学で夏は、最も「心(しん)」の働きが活発になる時期です。 「心」とは血液をポンプのように体中に巡らせ、体中の臓腑に栄養を行き渡らせています。 また、精神や意識のコントロールや小腸を含めた部分も心と関わりが深いです。 そのため、心の働きが乱れると動悸、不整脈など循環器系の異常や、不眠や精神が不安定に なるなどの症状が現れます。 またそれが関係の深い小腸に影響すると、消化吸収が悪くなり、便や尿の異常が起こります。 心の状態は顔色や舌に現れます。 心が弱っているときは、顔色や舌の色は淡く(白っぽく)なります。 心に瘀血(血の滞り)がある場合には色は暗く(紫色や暗い紫色っぽく)なります。 他に...
今日は近年増え続け月経困難症や不妊などの社会的問題につながる 子宮内膜症と予防についてお話したいと思います。 子宮内膜症とは子宮内膜が子宮以外の組織にできることで、月経のたびに出血やうっ血を繰り返し 病巣の増大、炎症、癒着を引き起こす疾患です。 現在わかっていることは20~40代、月経がありエストロゲンの分泌が盛んな時期に多い疾患だと いう事です。 では原因がはっきりしない疾患に対してどのように向き合っていけば良いのでしょうか。 ~子宮内膜症を予防する1日スケジュール~ 1. 朝起きたらカーテンを開けて朝日を浴びましょう! 太陽の光を浴びることで体内リズムや自律神経が整います。 できるだ...
妊娠するためには卵子が十分に育ち、排卵が起きなくてはいけませんが、何らかの原因で排卵が 起きないことを排卵障害と言います。 この排卵障害は、中枢性(脳の視床下部・脳下垂体)と卵巣性に分かれるのですが、最も多いのは 視床下部によるものと云われています。 視床下部はGnRHというホルモンを出します。これはすぐ下に位置する脳下垂体から出るFSH(卵胞刺 激ホルモン)とLH(黄体形成ホルモン)の分泌を促すホルモンです。 排卵は脳下垂体からFSHとLHが分泌されなければ起こりません。つまり、視床下部からGnRHが出ないと、 そもそも排卵も月経も起こらなくなってしまいます。 では、なぜGnRHが出な...
基礎体温は一般的には28日周期で低温期が14日、高温期が14日続くのが理想です。 ですが、中には高温期が短い人がいます。 それはなぜでしょう? 1 排卵していない(遺残卵胞) 2 黄体機能不全でホルモン分泌が少なく、高温期を維持できない 両方とも、不妊症の原因になりますね。 1 遺残卵胞の場合は、低温期も短く高温期も短いです。 誘発剤の使用でホルモンバランスを崩した次の周期に起こることが多いです。 2 黄体機能不全は黄体ホルモン(プロゲステロン)が少なく内膜の厚みを維持できずに、 着床しにくくなります。原因は自律神経の乱れや冷えで血液循環が悪くなってしまうからだと 言われております。...
6月に入り、湿気の多い季節になりました。 私たちの体は、多くの水分で成り立っています。梅雨は特に湿度が高くなり、体の中の水分を処理する機能が弱い人は体調が悪くなる人もいます。 このため、湿度が高い季節は、体の中の水分を発散させることが大切です。 鍼灸は、中枢性および反射性の筋緊張の緩和、血液およびリンパ液の循環改善などの作用があり、全身を温め、全身の気血水のバランスを整えます。湿気の多い季節こそ、鍼灸を受けることは体にとても良い事だと思います。 また、お家でできる簡単な健康法は、「入浴」です。 入浴(湯船につかる)は、体を温め、冷えを解消するだけでなく、性腺ホルモンが温熱効果で一時的に増え...
高温期(黄体期)の不正出血について 生理の前にちょっとした出血や、高温期にだらだらと続く不正出血についてお話します。 高温期にみられる不正出血の原因で多いのは黄体ホルモンの不足です。 妊娠を望む女性ならば誰もが黄体ホルモン(プロゲステロン)という言葉を一度は聞いたことがあると 思います。黄体ホルモンは妊娠の成立および継続に必要不可欠なものです。その特徴は受精卵が 着床しやすいように子宮内膜をフカフカな状態に整えたり、受精卵が内膜に着床した場合には、分泌を 続けて子宮内膜のいいコンディションを保ち、妊娠の継続を助ける働きをします。 黄体ホルモンは排卵後から生理前の黄体期に多く分泌されるホルモン...
現代社会の中で多くの人が受けているストレス。 〝ストレス=嫌なこと″と勘違いしていませんか? 実は〝ストレス=心と身体に受けるありとあらゆる刺激(ストレッサー)″が正しいのです。 辛い・悲しいなどの気持ちに加え、楽しい・嬉しいなどの気持ちもストレスと言われています。 一般的にストレスは『精神的ストレス』と『肉体的ストレス』の2つに分けられます。 嬉しい・楽しい・悲しい・辛いなどの気持ちの面から起こるのが『精神的ストレス』、 長時間の通勤・睡眠不足・食品添加物などの面から起こるのが『肉体的ストレス』です。 ストレスが溜まると不調の原因になり、体調不良を始め気持ちが沈...