9月 6日 「秋の養生」 まだまだ暑い日が続いていますが、心地よい風が吹く季節になってきました。 少しずつ秋に近づくにつれ、なんとなく身体が重だるい、なんとなく元気がでない、など身体の不調を感じる方 も多いのではないでしょうか。 暑い夏を乗り越えてきた身体では、たくさん摂った水分が発散しきれず身体に停滞してしまう、冷たい飲食で 消化の力・東洋医学でいう「脾」の機能が低下してうまく元気がつくりだせない、暑さや寝苦しさで気がうまく 回らずストレスが溜まっている、などということが起こっているといえます。 また、秋という季節がもたらす乾燥「燥邪」により、東洋医学でいう「肺」も損傷しやすくなります...
8月 31日 皆様、ごきげんいかがでしょうか。今日は、東洋医学の古典から妊婦の治療について面白い記述を ご紹介します。 唐代の中国で書かれた『千金方』では、経過月ごとに妊婦の養生法が細かく記されています。 例えば、妊娠1ヶ月目(自覚できるの?)は精熟したもの、大麦をよく食べ、生臭いもの・辛いものを さける。 2ヶ月目には居処を静かにし、驚同しないようにする、など。これらは現代に生きる私たちから見ても 大いに賛同できるところなのですが、興味深いのはここから先。妊娠3ヶ月目では「(胎児は)まだ 男女が定まっておらず、妊婦が見るものによって、子の形が定まる」のだそうで、弓矢を操るなど 男性が好む...
8月 23日 夏の冷房病対策について 8月も下旬を迎えますが、暑さは一向に衰える兆しがない今日この頃ですが、皆様には お変わりはありませんでしょうか。 今年も熱中症で搬送される方も多くみられ、一日中クーラーをフル回転というご家庭も 多いのではないでしょうか。そうした中で、「冷房病」にかかる方も見受けられます。 「冷房病」の原因は、体温を下げる交感神経と、体温をあげる副交感神経のバランスが 崩れることから多く、疲労感・頭痛・食欲不振・下痢・不眠などの症状を伴います。最近、 少し、疲れ気味だなとか、頭がガンガンするなどの不快症状を感じ取ったら、なるべく 早めに対策を取ってみてください。 対策と...
8月 9日 寝不足と陰陽のバランスについて 東洋医学では、地球上全てのものが陰と陽のバランスをとって存在すると考えられています。 私達の身体も同じです。体調不良にはこの陰陽のバランスの崩れが多く関わっています。 陰が不足した時が「陰虚」、陽が不足した時が「陽虚」となります。 現在人の生活は、陰虚、陽虚に傾きやすい傾向にあります。 今日はこの陰虚についてお話していきます。 陰虚の症状は、不眠、動悸、めまい、手足のほてり、のぼせ、喉が渇く、だらだら汗をかくなどなど。 寝不足やアルコールの取りすぎも一つの原因となります。 きちんと睡眠時間を取っているのにこの症状が出る場合、寝る時間が問題となり...
8月2日 卵子や精子の質を向上させる食べもの 卵子や精子の質を向上させる食べものといえば、その1つにビタミンEを含む食品が あげられる。 ビタミンEは抗酸化作用が強く、多くの食品にも酸化防止剤としても利用されており、 一般には『活性酸素を除去する』、『老化を防止する』、『心疾患、脳卒中、癌を予防する』 などといわれている。 ビタミンE自体、細胞膜や脂質に豊富に存在し、脂質の酸化を抑制し、細胞膜や蛋白質 などの損傷を防ぐ作用をもつのである。 食用油に多く含まれ、脂溶性の為体内に蓄積しやすいこともあり、欠乏症となることは 少ないといわれているが、欠乏症の1つに不妊症があげられている。 ただ目安...
7月19日 女性ホルモンの材料 「コレステロール」 コレステロールは多すぎると動脈硬化の原因になり、心筋梗塞や狭心症を招きやすくなると いわれますが、女性ホルモンの材料は、ずばり「コレステロール」です。 体内でのコレステロールの役割 ①細胞膜の材料となる。 低値による弊害 (血管が破れやすく、脳卒中が起こりやすくなる。貧血になる。) (病気に対する抵抗力が弱くなり、免疫力の低下から感染症にかかりやすくなる。) ②女性ホルモン、男性ホルモン、副腎皮質ホルモンの材料となる。 低値による弊害 (不妊症、ED、うつ病など) ③胆汁酸の材料となる。 低値による弊害 (「胆汁」の主...
夏に向けて、夏バテしない身体をつくる 今月は、七月。本格的な夏の始まりです。 私が留学していた中国では、夏になると街頭で「酸梅汁」という梅ジュースが売られ、歩き疲れた体に、疲れを癒すドリンクだったことを覚えています。 今回ご紹介させていただくのは、簡単な「酸梅汁」の作り方です。 用意するもの:梅1キログラム、氷砂糖1~1.2キログラム、酢(黒酢でも大丈夫です。)250~300ミリリットル 作り方はいたって簡単。ただ混ぜておいて、飲み頃になったら、水や氷を入れて楽しむだけです。 夏に向かって気をつけていただきたいのは、水分補給と休みを取ることです。 旅行シーズンでもありますが、なるべく...
6月28日 頭の鍼灸治療2 東洋医学では、陰陽のバランスが基本となります。機能性の病とは、陰陽のバランスが崩れている状態。 治療とは、陰陽のバランスを回復する事です。 鍼灸には二面性があるといわれ、興奮している時は抑制し、抑制されている時は興奮させるという同時の作用を鍼灸では行うことができます。この作用を利用し、崩れてしまった陰陽のバランスをもとの健康な体に戻していくために、鍼や灸で適切な刺激を与えることが大切になります。 からだの中で、特に頭部は全身の中枢となっている部分です。頭の中には大脳があり、頭皮の特定の部位に鍼で刺激を行うということは、ストレスなどで滞っていた頭の血流を促す...
6月21日 梅雨の時期の自己管理について 今の時期は疲れがとれなかったり、だるさが続いたりしませんか? これは梅雨の低気圧が私たちの自律神経に大きく影響を与えてるからです。 自律神経は交感神経と副交感神経からなります。交感神経は体を緊張させ活動モードにするものです。一方副交感神経は体をリラックスさせ休息モードにします。 低気圧は副交感神経の働きを活発にさせます。そのため体がいつもより休息モードになっているので同じことをしても普段より疲れたりだるかったりするのです。 自律神経を調整する方法として足湯があります。家で手軽にできるのでぜひ皆さんもやってみて下さい。
5月31日 頭の鍼灸治療 当鍼灸院では頭の鍼灸治療とマッサージを大切にしています。 患者さんによっては、頭に鍼灸治療するの!?と戸惑われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。不妊鍼灸治療において特に大事なのが、ホルモンバランスを調整することです。女性の月経周期は各々のホルモンの働きによってつくられています。しかし、ホルモン分泌を促す脳の“視床下部”はストレス等の影響を受けやすく、ホルモンバランスが崩れやすいのが実際です。当鍼灸院では、頭に治療することで、脳・下垂体-卵巣のコントロール系の機能を高め、結果として自律神経と内分泌のバランスを調整し、崩れてしまった体内...
5月24日 迎春堂の美容鍼灸について 美容鍼灸の始まりは約1600年前の晋時代、宮廷の美容術として盛んになり、中国の古典「鍼灸甲乙経」にも記されているほどです。 現代ではWHO(世界保険機構)でも治療効果が正式に認められ、より安全で副作用のない方法であることからハリウッド女優やセレブへと広まり、日本でもブームになりつつあります。 皮膚は大きく表皮、真皮、皮下組織の3層にわけられます。 特に、コラーゲンなどが豊富にあり、肌の張りや弾力を保つ真皮と言う層は、毛細血管も豊富にあり、皮膚への栄養補給や皮膚の働きを司る大事な層です。 当院の美容鍼は、皮膚の新陳代謝を高めるのに最適であるこの真皮に...
5月17日 四季と二十四節気、七十二候 皆さん、いかがお過ごしでしょうか。 ようやくサンダルの季節になってきましたね。 その「季節」ということばは4つの「季」と24の「節気」を意味するものだと最近知りました。 前者については世界中でみられる概念ですが、古来極東では啓蟄・立秋・大寒など四季を24に、更には日常目にするものから微妙な季節の移ろいが感じられるよう72の候というところまで分け、太陰暦から生じるカレンダー上の誤差をカバーしたといいます(中国から日本に伝わったものなので、あちらとは「日常」の様子が違いますから名称も違うようです)。 例えば5月の今ですと節気は立夏、諸説ありますが初侯・...
11月8日 すっかり秋本番の今日この頃ですが、ということはつまり、残念ながら本格的な風邪シーズンの 到来でもあります。 東洋医学では、身体に害を及ぼす要因を身体の内側から起こるもの(内因:精神的ストレスなど)、 身体の外から入るもの(外因)、どちらにも属さないもの(不内外因)に分けています。さらに外因を 風・暑・湿・燥・寒・火という6つの邪に分け、これを六淫(りくいん)と呼んでいます。 六淫は、それ自体は自然に元々存在する気(六気)が気候・季節などの急激な変化によって邪気 となるもので、身体への影響の及ぼし方にもそれぞれ特徴があります。もうお気づきの方もおられ るかもしれませんが、風の邪気、...
5月10日 食事や運動、睡眠は日々の生活で重要な位置を占めています。そこで今回は、不妊鍼灸で 治療中の方が毎日心掛けるとよいことを提案します。 ① 運動 : 低温期に入ったら、起床後に1分間のストレッチをしましょう。そして無理のない範囲内で、 エレベーターを使わず階段をご利用下さい。軽い運動を取り入れることで、下半身の血行 促進につながります。 ② 食べ物: 糖質と脂質の多い食べ物を控えることをお薦めします。糖質と脂質は代謝されにくく、 老廃物として体内に蓄積され、肥満になりやすくなります。お肉を食べるのでしたら、鉄分を 多く含む赤身の牛肉がお薦めです。 貧血予防の効果もあります。 ③...
5月3日 大宇宙と小宇宙 古代中国では一年を通じて農耕の成果を左右する太陽や雨、風などの天の恵みととらえ 四季の変化が正常に運行するかどうかは、切実な関心事でした。 古典医学書「黄帝内経素問」には、四季の季節特徴を、生(春)長(夏)収(秋)蔵(冬)として とらえ、この四季の特徴的な働きを「四気」といい、それによってあらゆる人間の生命活動の 源泉は天と地からなる大自然(大宇宙)にあるとされています。 この「気の思想」から、「天人合一思想」という、人体の機能が自然と相応しているとみる 思想で、森羅万象を理解するための基礎的な思想となります。 人の生命体を大自然(大宇宙)の一環としてとら...
4月 26日 月経の悩みとさよならするには 中医学は、弁証の医学とも呼ばれ、体のさまざまな現象から、その原因を推し量り、毎日の生活に役立てていこうとする医学です。 西洋医学では、どうしても理解に苦しむような体の症状を、また違った観点で見直してみてはいかがでしょうか? 中医学では、月経時の体の状態から、その人の体にどういった悩みが生じているかを考えていきます。 ①生理の周期が乱れ、イライラする、下腹部に不自然な鍼があるようであれば、気滞(気の流れに滞りがある状態)型、②下腹部や腰が痛み、めまいや立ちくらみがあれば、気虚・血虚(人体のエネルギーや活力となる気及び血が不足している状態)型、③月...
4月 5日 「冷え」と卵巣・子宮機能の関係 東洋医学では「冷え」は不妊の原因の1つと考えます。 年齢や婦人科疾患などの要因もありますが、不妊に悩む女性の多くは、体が冷えているか、 血液循環が滞って古い血がたまっているか、もしくはその両方の症状がみられます。 治療などで「冷えがとれてきたな」と感じた頃に、妊娠する方も多くいらっしゃいます。 なぜ、冷えが不妊の原因になるのでしょうか? 体が冷えると、子宮や卵巣も冷え、良い卵子ができづらくなります。 温かくふかふかしている子宮には、受精卵が着床しやすいのですが、冷えて硬ければ、着床しにくくなります。 東洋医学では、冷えは「陽虚」と認め「陽気不足...
3月 22日 基礎体温表 当鍼灸院では不妊鍼灸治療中の方に、毎朝基礎体温を測って頂くようお願いしています。 このとき大事なのは、体温を表にすることです。 そうすることで、体温の状態がわかりやすくなるからです。 基礎体温からは、身体の内部の働きまで手に取るようにわかります。 排卵日の予測、女性ホルモンが正常に働いているかどうかまで。 また、体温表におりものの有無や身体の様子(頭痛、腹痛、めまい等)、通院日や服薬した薬、性交日などを 書き込みましょう。 書き込む情報が多いほど、妊娠に向けた身体の準備を整えやすくなります。 この機会に今まで基礎体温を付けていなかった方も、当鍼灸院の不妊鍼灸...
「陰虚証」 「陽虚」に相対して「陰虚」というものがあります。 陽気不足で温める力のない「陽虚」に対して、陰気の不足、陽を抑制出来ずに陽気が過剰に増えすぎてしまう状態を「陰虚」といいます。 汗のかき過ぎや、大出血、長期的睡眠不足、心労、房事過多(射精過度)などの原因により、陰が不足した状態を指します。 陽が過剰になった結果、潤す働きが弱くなり乾燥肌、微熱が出やすく、口が渇き、精神不安、よくしゃべる、イライラなどの症状がおこります。 また、空咳やめまい、便秘と下痢が交互に訪れる、不眠、眠りが浅いなどの症状や、悲観的になり、マイナス思考が多いという特徴があります。 体質チェック方法 「陽虚」・...