暦通りの春到来を思わせる暖かい日が来たかと思ったら、極寒の真冬に逆戻り。街にはインフルエンザやらPM2.5やらが蔓延していて体調管理がとても難しい今日この頃、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
さて、今日は易経(エキキョウ)についてのお話をいたします。易経とは、紀元前7世紀ごろに周の時代の中国で成立した書で、簡単に云うと、ある法則にしたがって、物事の状態や変化を表現あるいは予測し、森羅万象を体系化したものです。哲学書として、あるいは儒教の経典として、また当たるも八卦、でおなじみの占いのテキスト等として用いられてきました(皆さんも●●易断、という占いの名称、聞いたことありませんか?)。
東洋医学の基本となる「陰陽」という概念も、この易経の思想からきています。万物は陰と陽で成り立っていて、陰陽は互いに相反しながらも、交ざり合おうとして大きな循環をおこし、あらたな進化をするという考え方です。例えば、陽である男性が、相反する陰である女性と交わり、新しいもの(生命やその他もろもろ)を作り出す、という自然の摂理がその最たるものでしょう。
私達をはじめとするあらゆるものは、すべて常に変化する「時」の中で生きています。その変化の法則を見出し、これから遭遇する未知の事象に対応していくヒントを教えてくれるのがこの易経なのです。
かの70歳を過ぎてはじめて易経を手にした孔子も、「もっと若い時から勉強していれば、迷いのない人生になっていた」と後悔したとか。
現在お悩みの方、数千年の間人々に読み継がれてきたこの書を以て、意外とスッキリ解決、なんてこともあるかもしれません。読みやすい解釈本なども多数刊行されていますので、ぜひご一読ください。