チョコレート嚢胞(子宮内膜症性卵巣嚢胞)

チョコレート嚢胞(子宮内膜症性卵巣嚢胞)

子宮内膜症はよく聞く病気ですが、チョコレート嚢胞というとあまり馴染みがないかも知れません。
当院の不妊鍼灸を受けられている患者さんの中にもチョコレート嚢胞があるという方が時々いらっしゃいますが、今回はこの病気がどういうものか、不妊とどのような関係があるのかをお話ししたいと思います。

子宮内膜症は、本来子宮内面を覆っているはずの子宮内膜と同様の組織が、子宮内面以外の部位にできる病気です。この子宮内膜症が卵巣に起こったものがチョコレート嚢胞です。通常は子宮内膜で増殖する細胞が、卵巣内で増殖し血液が溜まることによって卵巣が肥大するのが病態です。
発症の原因は解明されていませんが、「子宮内膜が卵巣側に逆流して付着・増殖した」「卵巣の組織が子宮内膜やそれに似た組織に変化した」などの説があり、また、遺伝的要素の可能性もあるのではないかとも考えられているようです。
症状としては、主に痛みを訴えることが多く、特にチョコレート嚢胞を含む子宮内膜症では、強い月経痛を感じている人は90%以上とも言われています。

では、不妊とはどのような関係があるのでしょうか?
チョコレート嚢胞が不妊の原因となると言われるのは、大きく3つの理由があるようです。
一つ目は「癒着による卵巣機能の低下」です。子宮内膜が出血し、炎症を起こすと免疫機能が働いて炎症を抑えようとします。このとき発生する膜のようなものが卵巣を腸など他の臓器と癒着させてしまい、卵巣の機能が低下して不妊の原因となる可能性があると考えられています。
二つ目は「卵巣機能の低下」です。チョコレート嚢胞は、卵巣の中に発生するため、進行してしまうと卵子の発育を妨げる可能性があると考えられているようです。さらに嚢胞が大きくなって卵巣が破裂してしまうと、卵巣自体を失ってしまうこととなるため、早めの治療が必要であると言われています。
三つめは「大きくなった卵巣による卵管の圧迫」です。チョコレート嚢胞により大きくなった卵巣によって、卵管が圧迫されることで卵管内を卵子がうまく通れなくなったり、卵管の機能が低下してしまったりする可能性があると考えられます。

発症してしまったら、医療機関で適切な治療を受けることが大事ですが、併せて鍼灸による体質改善を行っていただくとより効果的です。鍼灸で症状が改善することもありますので、是非当院にご相談ください。
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