大宇宙と小宇宙

5月3日

大宇宙と小宇宙

古代中国では一年を通じて農耕の成果を左右する太陽や雨、風などの天の恵みととらえ
四季の変化が正常に運行するかどうかは、切実な関心事でした。

古典医学書「黄帝内経素問」には、四季の季節特徴を、生(春)長(夏)収(秋)蔵(冬)として
とらえ、この四季の特徴的な働きを「四気」といい、それによってあらゆる人間の生命活動の
源泉は天と地からなる大自然(大宇宙)にあるとされています。

この「気の思想」から、「天人合一思想」という、人体の機能が自然と相応しているとみる
思想で、森羅万象を理解するための基礎的な思想となります。

人の生命体を大自然(大宇宙)の一環としてとらえ、人体内部の仕組みも一つの小自然
(小宇宙)としてとらえ、人の臓器、器官はみな異なった機能を持ちながら、ひとつの自然
(宇宙)のような統一体をなしていると考えます。

そのことから、人間は時の移り変わり(時間)、自然環境(空間)というものにとても影響を
受けます。
古代中国では経験的にいつどのタイミングで、どの経穴(およそ人体には365穴ある)の
働きが高まっているのかの算出法をあみだしました。

十天干(甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、葵)
十二支(子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥)
古代中国の歴、時と月を記すもので順次に配合し、甲子、乙丑、丙寅、丁卯、などの60
配合を得て、年月日にあてて用います。

当院では、この「子午流注配穴法」というものを用いて現在の、年・月・日・時間から算出
された配穴を用いてより精密な治療を行い、より高い治療効果を追求しています。
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