不妊に関わる婦人科疾患

甲状腺機能障害


甲状腺機能の異常とは

 甲状腺は体全体の代謝をコントロールしています。

甲状腺機能の異常による排卵障害は甲状腺機能低下の場合がほとんどです。
甲状腺機能が低下して
必要なホルモンの分泌が減少する「甲状腺機能低下症」で、代表的なものには「橋本病」があります。
症状としては、低体温・筋力低下などの全身症状のほか、
精神症状・皮膚症状や月経異常・性欲減退・不妊・流産などの内分泌・代謝症状がみられます。
現代医学では甲状腺ホルモンの補充療法などを行います。

甲状腺ホルモンの低下により、視床下部からのTRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)分泌が増加し、その刺激でPRL(プロラクチン)分泌が増加する、高プロラクチン血症の場合では、間脳の視床下部を通じて、下垂体のLH、FSHを抑制します。その結果、卵巣機能低下になります。


中医学的に考えると 

 脳絡機能の異常で、内分泌コントロール機能がくずれ、代謝低下・生理活動が低下している状態で「陽気不足 」と考えられます。このような症状は、疲れやすい・腰が弱い・冷え性・おりものが少ない・卵の発育が遅いなどがあります。
治療は、
健脳疏通脳絡を中心に、内分泌コントロール機能を高めることを目的とします。

卵の発育、温補気血・昇陽作用を目的とした治療で気血のめぐりをよくし疲労倦怠感を改善し、ホルモンバランスを調整し排卵を促進します。同時に、補腎・健脾・昇陽を目的とした治療で、代謝機能の改善をし、生理活動を活発にします。

 


高プロラクチン血症

妊娠すると、乳汁の分泌を促し排卵を抑えるプロラクチンが多量に分泌されます。
プロラクチンとは、脳の下垂体から分泌されるホルモンのひとつで、乳腺刺激ホルモンとも呼ばれます。

通常は妊娠~分娩後の授乳期間中に乳腺を刺激して乳汁の分泌を促し、さらに排卵を抑えるように働きます。
しかしこのホルモンの分泌が妊娠していないときも
異常に亢進して、無月経、無排卵月経、乳汁分泌、(男性では、精力低下、女性化乳房)などを引き起こします。

高プロラクチン血症の原因は、視床下部や下垂体の異常(腫瘍など)によるもの、薬の作用(ピル、胃潰瘍、抗うつ剤や降圧剤などを長期間服用した場合など)によるもの、流産・中絶後分娩によることもあります。

また視床下部の小さな機能異常の一つに、日中はプロラクチンが高くなくても夜間に高くなる、潜在性高プロラクチン血症という病態があります。
これにより不妊症や
流産を繰り返した場合は、治療が必要になります。

しかし高プロラクチン血症の原因は、大多数が「原因不明」でよくわかっていないことが多いようです。

中医学では、高プロラクチン血症を陰陽バランスの乱れなどによるものと考えられています。

当院の中国伝統療法では、下垂体の調整と骨盤内の循環を改善させるために、それらに関係するツボに鍼やお灸を行います。
さらに経絡漢方温熱や、吸い玉療
法を取り入れ、陰陽のバランスをみながら少しずつ体質を改善していきます。

  



骨盤内炎症性疾患

骨盤内炎症性疾患は、骨盤内蔵器に生じる炎症と感染で、子宮・卵管・卵巣その周辺組織がおかされる疾患です。

特に卵管への感染が進み、炎症癒着などがお
こると閉塞をおこし、不妊症の大きな原因となります。
骨盤内炎症性疾患を引き起こす原因として最も多いのは性行為による性感染症で、
クラミジアトラコマチス、淋菌といった細菌が原因となります。
発症は子宮・子宮
頸部から始まり卵管へと進行していきます。

骨盤内炎症性疾患で特に不妊につながりやすい卵管への影響として、

① 炎症による卵管の閉塞
② 癒着による卵管采のピックアップ機能の喪失
③ 卵管の閉塞による子宮外妊娠

などがあげられます。

診断と治療が適切であれば完治する可能性の高い疾患ですが、治療よりも予防が大切です。
性交渉を控える、避妊具の使用、セックスパートナー全員の感染症の検査と治療などが感染予防となり大切です。

中医学では、気虚湿阻・下焦湿熱と湿瘀(下腹部に余分な水分と炎症滲出物がたまる状態)とみます。
症状としては、下腹部圧痛・腹張・卵管卵巣のむくみなど
があげられます。

治療は、鍼灸と下腹部の漢方温熱・吸玉などで局部の気・血の
めぐりを良くし、瘀滞の分と旧血を代謝アップにより流れをスムーズにし、体の免疫機能を高め、子宮・卵管・卵巣を活性化して機能を高めることにより妊娠出産をめざします。
  

 


子宮筋腫

子宮は3層の壁があり、内側から「子宮内膜」→「子宮筋層」→「子宮外膜(腹膜)」という順番で並んでいます。

この中の子宮筋層を形成しているのが、「平滑筋」という種類の筋肉です。

子宮筋腫とは、この子宮平滑筋層由来の良性腫瘍で、女性の腫瘍全体の中で最も多いタイプです。

この子宮筋層は、女性ホルモンの一つである「エストロゲン」というホルモンの働きにより、妊娠するとだんだん大きくなり、赤ちゃんの受け入れ準備を整えます。
子宮
筋腫の発生原因はまだはっきりしませんが、エストロゲンに反応すると考えられており、妊娠中に大きくなることが多く、閉経後は縮小します。

筋腫の発生部位により、

(1)筋層内(子宮筋層の中)
(2)粘膜(内膜)下(子宮内膜と子宮筋層の間)
(3)漿膜下(子宮筋層と子宮外膜の間)

に分けられます。
中でも、粘膜下筋腫の場合、受精卵が着床しづらくなったり、筋腫
が大きくなることで、胎児の成長に影響すると考えられています。

東洋医学では、西洋医学とは違う診方をします。
子宮筋腫の場合、『気』や『血』の滞りが起こることで、「瘀血」という状態になることが影響していると考えます。

ですが、“なぜ、そのようになったか“という原因は人それぞれ違います。
また、同じ人でも、日々体は変化するため、その変化を見極めて、不足している気血を補い、多すぎる気血は外に出すという調整を行うことで、本来人が持つ自然治癒力を最大限発揮できる環境を作ります。


子宮腺筋症

子宮腺筋症とは、何らかの原因により、通常子宮腔内にある子宮内膜様組織が子宮筋層内にまで存在し、周囲筋層に炎症をきたす疾患です。

子宮内膜症と同じように女性ホルモンの一種であるエストロゲン作用で増殖し、子宮内膜様組織が月経のたびに増殖・剥離を繰り返すことによって様々な症状を起こします。

子宮内膜症との違いは、この内膜様組織の生じる場所で、子宮腺筋症は筋層内、子宮内膜症は子宮腔内以外の場所となります。
また子宮腺筋症と同じ場所の
筋層内に良性腫瘍が生じる疾患として子宮筋腫があります。
子宮腺筋症は、これら子宮内膜症・子宮
筋腫と合併することが多いとも言われています。

主な症状としては強い月経痛・過多月経・月経期間の延長などがあげられますが、
月経痛に関しては子宮腺筋症のほうが子宮内膜症に比べ強い傾向があります。

また子宮内膜症とは違い、子宮のなかで病巣が増殖するため子宮肥大がよくみられ、それにより子宮内膜の面積も広くなり、過多月経となります。
この過多月経や
月経期間の延長などにより貧血をおこす場合もあります。

好発年齢は30代後半から40代の経産婦と言われていますが、最近では20代から30代前半の未産婦にも増えてきています。

妊娠にとって大切な子宮に子宮腺筋症がある場合、子宮の動き(収縮)が悪くなるため循環障害となり着床しにくくなります。
したがって早期治療が大切となるのです。


東洋医学の鍼灸・経絡治療としては、子宮関連のツボ・経絡を刺激し気血循環を良好にします。
また老廃物なども排出しやすくし、体の環境を改善していきます。
  
  

子宮頸疾患

子宮はなすび、あるいは人の頭の様な形をしています。
解剖学的に子宮の首の部分を「子宮頸部」、頭の部分を「子宮体部」と呼びます。

癌の発生部位が前者の
場合は「子宮頸癌」、後者の場合は「子宮体癌」に分けられます。
子宮頸癌と子宮
体癌は、子宮という同じ臓器に発生しながらも、全く異なる癌なのです。

 

◇子宮頚癌

子宮頚部に発生した悪性腫瘍であり、女性生殖器癌の中では最も頻度が高いとされています。
多産婦に多く、好発年齢は40代ですが、30代では乳癌よりも子宮頚癌の方が発症率がかなり高いのが現状です。
自覚症状として、不正性器出血、おりもの、腰背部痛を伴う事が挙げられます。


◇子宮頸管炎

経産婦の約60%に見られます。これは頸管粘膜の炎症で、単独で起こることは稀ですが、多くの場合腟炎などから上行感染で広がります。
子宮頸管は、腟を介
して外界と直接通じている事や、分娩や人工妊娠中絶時に頸管損傷を生じやすい事、また感染に比較的弱い子宮腟部びらんが頸管の入口に存在する事などから、腟と同様に女性性器の中で最も感染を受けやすい所です。

クラミジアの感染によるものは、日本を含めた先進諸国で大流行があると言われており、慢性化すると子宮内膜症や不妊症を引き起こすこともあります。
炎症によ
って頸管粘液に異常をきたし、精子の侵入を妨げる原因にもなります。


◇子宮頸管ポリープ

良性腫瘍ですので、ポリープ自体が癌化することはありませんが、必ず根元から切除するようです。
妊娠を経験したあらゆる年代に起きますが、30代~50代の女性によく発生します。

接触出血が起
こりますが、それ以外自覚症状はほとんどありません。
子宮頸部の粘膜細胞が、
炎症をきっかけに増え、茎をもったできものとして頸部から子宮の出口へ飛び出した物です。
痛みはなく、妊娠・
出産には全く問題はありません。
しかし、ポリープが精子の通過を邪魔する状態
になると不妊の原因となってしまいます。

 


子宮内膜症

内膜症は不妊の原因となりやすいということをご存知ですか?

子宮内膜とは子宮の内側を覆っている膜で、女性ホルモンの周期によって月一回脱落します。 これが月経となります。
通常の月経では脱落した子宮内膜は月経血として 陰道に排出されます。
しかし内膜症は、何らかの原因により子宮内膜組織が 子宮以外の骨盤腔内に飛び出し、増殖し脱落するために出血を繰り返してし まいます。

子宮内膜症について、中医学では下腹部の骨盤腔内に強い血瘀(停滞した血 液)があると考えます。
下腹部の血行不良により、血液が運ぶ栄養素や酸素が充分に供給されず、腰・ 腹部・子宮・卵巣周囲・下肢の深部などの冷えとなります。

また、循環不良により老廃物も溜まりやすくなり、排卵時 や卵が育つためなどの様々なホルモン分泌障害なども起こします。
ホルモン は子宮内膜の厚さや軟らかさに影響を与えるため、着床しにくい、流産しや すい体質になるなどの原因とも考えられています。

1)子宮内膜と他組織の親和性 内膜には粘着性があります。
よって繰り返し出血・増殖することで周囲の組 織に癒着を起こします。 癒着した周囲の組織は気・血・水の循環不良をおこし、局所の虚血や器官の 機能低下、炎症症状などを起こしやすくなります。



◇子宮内膜症の症状

不妊の原因の中で当院では、子宮内膜症が一番多く見受けられており、瘀血や冷えが内膜症原因の一つとも言われております。
たとえ妊娠しても流産しやすくなってしまう恐れもあります。
それだけ厄介であると同時に、子宮内膜症の癒着の大きさの程度、及び場所によって現れる症状が様々です。

*激しい生理痛(鎮痛剤等が必要)
*生理中、排卵中のお腹の膨満感、ガスが溜まりやすくなる。
*腰痛、排便痛、性交痛
*生理不順
*不正出血、(生理前、生理後に出血がある)
*おりものが少ない
*20代~40代の女性に多くある
*内膜症の発生部位によっては、症状が現れないことがあり、内膜症であっても放置してしまうケースがある

子宮内膜症の癒着部位別の現れる症状について
*卵巣に癒着の場合、卵巣嚢腫になる確率が高く、卵が育ちにくい
*卵管に癒着の場合、精子と卵の出会いが難しくなる
*卵管の先の傘の部分に癒着の場合、傘の部分の伸縮性が奪われるために、卵巣から出た卵をPICK UP出来なくなる
*子宮に癒着の場合、腺筋症に発展したり、着床しにくくなる


◇子宮内膜症における中国伝統鍼灸治療の効果について

当鍼灸院に来院されている患者さんの90%は婦人科疾患を患っております。
中国伝統療法と現代最新技術で、軽い子宮内膜症から難治と言われる内膜症に対し、産婦人科医師35年以上の実績を持つ院長と、女性中医師の副院長による他にない独自の治療法と不通則痛理論に基づいて治療を行います。

不通則痛理論について、通じないということは停滞、渋滞があるということであり、滞っている状態です。
水や空気など停滞や、滞りで腐ったり、淀んできたりします。

道路などでも、停滞や渋滞が起こると全てがうまくいかなくなりまするように、これは人体でも同じことなのです。

ホルモン関係のある頭から足まで治療を行う特有な伝統治療、特殊な経絡のツボを使用しながら、漢方イオン効果の温パック、子宮、卵巣の細胞を活性化する磁石を使用し患部につけて行きます。

この磁石とは磁場によって子宮、卵巣、骨盤内の冷え、滞り(瘀血)と老廃物を流して行きます。
その効能は、子宮内膜症の改善、生理の正常化、子宮内膜症からの生理痛を95%改善します。

この様にして、子宮、卵巣、骨盤内を改善し、良い卵、妊娠しやすく、着床しやすい身体を作っていきます。
  

 


多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)は排卵障害の症状のひとつで、超音波断層診断において卵巣に多数の中小の卵胞がみられます。
卵胞はある程度育ちますが、全て
未熟の卵の状態で成熟しないために排卵ができません。
卵巣の被膜の肥厚により
臨床症状としては、不妊・多毛・男性ホルモン過剰・無月経・不正出血・肥満・男性化徴候などがあげられます。

発症の原因ははっきりとしていませんが、中医学では体の気・血・水の代謝異常と考えます。
体に余分な悪いものが滞っていると、気・血・水の代謝低下となります。
東洋医学の鍼灸・経絡治療は、主に気・血・水のめぐりを改善させて良質の元気な卵を育て、排卵を促進させる方法をとります。
  


  
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