May 22

安産の鍼灸治療

不妊治療を継続してこられ、遂に念願の妊娠をした方々、特に高齢妊娠の方に対しては、母体をお守りし、お腹の赤ちゃんを丈夫に育ていくように、妊娠を安定したものにしていかなければなりません。

しかし、母体では妊娠により、新たなhCGホルモン(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)分泌が起こり始め、もともとのホルモン分泌量も増加・減少が起こり、従来の安定した体内環境が崩れてしまいます。

この変化
に適応できないと、結果として、つわり・流産・妊娠中毒症などの悪影響に及んでしまいます。
また、むく
み、疲労感、頭痛、腰痛、情緒不安定、体型の変化など様々な変化がみられます。


正常妊娠・維持の条件は、以下の3つがあげられます。
この中で、一番重要なことは『母体』になります。
それは、胎児の発育環境を安定させ、胎児の発育
に必要な新陳代謝を充足的に提供する為の保障をするからです。

実際、着床から出産までの長い十ヶ月間に本来正常な自律神経や内分泌環境が崩れ、体型・体質など様々な変化により、心身共にストレスを抱える状態が続きます。
そして、母体を支え、胎児の成長
を順調に進めることが『安産治療』の役目です。  


迎春堂の安産理論

妊娠の経過は、「妊娠」という特別な負荷に対する母体の適応過程です。

母体に負荷するものは、
胎児…日々成長していく胎身体、及び増加していく胎児付属物の荷重が、胸腹内臓及び大動脈を
圧迫します。
胎盤…妊娠後、母体と胎児の間に連結という役目の胎盤が形成され、妊娠四カ月末にほぼ完成
します。その形成過程は、まず受精卵が着床した子宮内膜が脱落膜というものに変化します。この
脱落膜に胎芽を取り巻いている絨毛という突起状の組織が入り込んでいき、これが胎盤となってい
きます。胎盤は38週頃まで成長し続け、最終的には、直径15~20cm、厚さ2、3cm、重さ500gの円盤
状のものになります。  


A. 胎盤は、胎児の新陳代謝に必要な物質交換の場です。胎盤を通してガスと物質の交換量は日毎
に増します。母体の負担も日々増加します。
B. 胎盤は、新しい分泌器官で、妊娠を正常に進める為、新たなhCGホルモン(ヒト絨毛性ゴナドトロピ
ン)を分泌し始めます。それに対して、内分泌コントロール系の立て直しをしなければなりません。
C. 胎盤の組織産物は、母体の代謝により変化しますが、その生理機能の失調が妊娠中毒症の原因
になります。  

 

以上の負荷に対して、母体が適応不全になると妊娠異常が発生します。
妊娠した日から始まる胎児と胎盤の発育は、母体の新陳代謝・内分泌コントロール系などの生理的なバランスに変調をきたします。胎児発育の変化に伴って繰り返し身体のバランス修正が必要です。  


中医学の陰陽平衡理論の立場で妊娠の生理機能の説明をすると、
胎児を養育する為、気血供給が増え、母体は陰血不足になり、それにより生理機能が変調し易く、敏感になります。
このことを『陽気偏亢』といいます。
妊娠の病理状態の本症は、『陰血不足』、標症は、『陽気偏亢』と考えます。 
 


安産治療の原則

妊娠期間に陰陽失衡の理論に基づいて、『滋陰潜陽』という施術で陰陽バランスを立て直します。

本治療法 :『滋陰固本』 健康な母体を維持します。
内臓機能改善し、陰血を補充して母体の体力増加を目指します。昇清受納作用を高め、胎児の健康な発育を目指します。気血失衡状態の母体を調整し、妊娠負荷に対する適応能力を高め、妊娠環境を安定させ、胎児の安定を図ります。

標症治療 :『潜陽化鬱』 母体をリラックスさせます。
妊娠という身体の大きな変化(妊娠という状態が母体にとっては平常ではないストレス状態)で、脳と中枢神経は常に警戒・臨戦状態にあります。
脳絡を施術することにより、
自律神経・内分泌中枢の緊張状態を緩解させます。それにより、内臓や骨盤内の血流変調を正常に回復させます。そうすることで、妊娠に伴う不快症状である頭痛・高血圧・つわり、むくみなどを軽減し母体を守っていきます。


安産治療で期待できること

① 内臓機能改善により、母体から胎児への物質交換能力を高める
② 健脳・安神作用により、中枢の興奮状態を落ち着かせる
③ 昇陽受納能力改善により、流産を予防する  


安産治療の一例

<つわり>
健脳・安神…中枢の敏感・興奮状態に対して降低する
解鬱理気…胃腸の消化・降下機能を高める
内臓機能調整…昇陽受納作用を高め、流産防止
健脾袪湿…水の代謝を高め、むくみ解消する  

  

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